こんにちは、ねこきん(@nekokin37)です!
今回は相続テーマの書籍の感想・まとめです。
相続財産に占める不動産の割合が大きいことや不動産を使った節税対策などなど、相続と不動産の関連は深いです。
相続分野では不動産の価値を判定する鑑定ニーズが発生します。
相続関連のマーケット開拓をしている鑑定士もたくさんいてますね。
相続を勉強するに当たっての始めの1冊にオススメしたい本を記事にしてみました!
相続のあるあるトラブルを知っておきたい人
相続に関わる節税のポイントを抑えたい人
『ぶっちゃけ相続』の3分紹介
実績豊富な相続専門税理士さん(YouTuberで登録チャンネル数も数万と凄い方)が書いた本です。
高齢化の進展で相続ニーズは多いものの、まだまだ相続税を専門としている税理士さんは少ないようです。
理由は2つ。
- 税理士の資格試験は選択科目制で、かつ相続税科目が難易度が高いから。
- 日々の業務で相続税に触れる機会が少ないため。
まずは税理士資格を取りたい!という方からは敬遠され、実務経験を積むのも難しいことが原因みたいです。
税法がややこしい分、より専門性が高い税理士さんにお願いしたいですね。
本題です。
本書は以下の7章立てです(”ぶっちゃけ”が著者の伝えたい意図みたいですので、目次そのままで書いています。おそらく業界を切る的なニュアンスもあるのかと思います)。
- 相続の基本のキをぶっちゃけます!
- 相続トラブルをぶっちゃけます!
- 遺言書をぶっちゃけます!
- 相続税をぶっちゃけます!
- 不動産をぶっちゃけます!
- 税務調査をぶっちゃけます!
- 相続手続き・専門家をぶっちゃけます!
相続の基本をポイントを抑えて解説
私も鑑定士の行政法規・宅建・FPやら何度も相続税について軽く触れてますが、受験勉強式でやっているため、理解が薄いです。
こちらの本のおかげで相続の輪郭がなんとなく見えるようになりました!
相続の基本のポイントは以下の2つのように感じます。
- 遺産の分け方
- 相続税の計算方法
さらに『遺産の分け方』は、➊遺言書で分ける、❷遺言書ないなら遺産分割協議で分ける、の2パターン。
遺言書があれば遺言書。遺言書がなければ協議して分けるのが原則的な流れ。
遺言書で分ける場合でも、『遺留分』(最低限守られる遺産を受け取れる権利)について注意する必要があります。
”遺産を分ける” ⇒ 遺産の価値を把握する必要がある ⇒ 遺産に不動産がある場合、適正な価値はどうやって把握する?
不動産鑑定士の出番ですね!
相続税路線価とかを使った評価額は実勢価格とズレてます。
都心部の収益物件を相続税法の評価方法で査定するととんでもない安値になります。
相続税評価額と実勢価格のギャップが揉める原因になるため、遺産の評価に不動産がある場合、不動産鑑定士を入れて適正な価値を把握した上で遺産を分けた方が良いです。
次に『相続税の計算』はややこしいです。
実際に相続した遺産額に税率を掛けて、相続税を算定する。ではないです。
- 遺産の合計を求めて、
- そこから基礎控除を引いて求めた額を、
- 仮に法定相続分で相続したものとみなした金額を割り振る
- 割り振られた金額に税率を掛けて税額総額を求めて、
- それを実際に相続した割合に応じて納税額を決めます
『一回総額を求めてから、それを割り振る』という遠回りして税額を求める方法を取っています。
そうしないと工夫次第で相続税の額を調整できてしまうからだそうです。
ややこしいですね。。。
計算の次は、相続税を減らすポイントを2つ。
- 基礎控除。相続人が増えるほど、控除額が増えて課税対象が減る。
- 累進課税。相続人が増えれば、低い税率が採用される可能性が上がる。
本書ではこんな感じでポイントをまとめながら進めてくれているので、非常にわかりやすいです。
相続トラブルが起こる原因を分析
相続が”争”続にならないように!とは良くききます。
では、なぜ相続トラブルが起きるのか。
実績豊富な税理士さんだからこそ、現場で起きているコトを具体例で説明してくれています。
- こんなトラブルが起きます(良くあるトラブルパターンはこうです)。
- 原因はこういったことからです。
トラブルのパターンとその原因が分かっていれば、事前に対策することでトラブルを避けるコトができますね。
リスクはリスクの正体が見えればリスクではない、です。
ちなみにトラブルの原因は言わずもがな、人情的なところが多いです。
秘密事であったり、自分の遺産を増やすため他の人を出し抜こうとか。
私も前職で富裕層の争続に関わったことありますが揉めに揉めてました。
(基本、訪問するたびに別の相続人の方の悪口を聞いてるだけのポジションでしたけど)
節税の手段
税金で気になるのは、なんとか税額を抑えられないか?ですね。
相続税は税率も高いから、節税ニーズも強いです。
読後に私なりに節税対策の手段を整理してみました。
整理の仕方は他にもいろいろあると思いますが、キーになるポイントは2つ。
- 遺産の評価を下げる
- 遺産を減らす(譲渡する)
このポイントを抑えて、具体的な手段としては以下の方法を使う。
- 制度を利用する
- 贈与を利用する
- 不動産を利用する
- 生命保険を利用する
相続の時に不動産を利用するはメジャーな手法です。
鑑定士としての関わり方は、時系列で分けるとこんな感じ。
- 相続対策(相続発生前)は、資産組み換えなどのコンサル的業務
- 相続税の申告時(相続発生後)は、遺産の評価業務
今後のアウトプット
相続のポイントをわかりやすくまとめてくれている1冊でした。
本書を繰り返し見直して、自分のモノにしたいと思います。
相続分野の知識を営業ツールにできる鑑定士を目指します!