こんにちは、ねこきん(@nekokin37)です!
不動産業界で仕事していると、建物について良くわかっているように思われますが、実際、建物の知識は結構乏しいです。
不動産鑑定士は土地鑑定士と揶揄されたりもします。。。
土地だけでなく建物についてもある程度知識を持っていないといけないので、何とか建物の勉強をする必要があります。
私たち不動産鑑定士の建物調査は基本的には外観目視調査です。
ですが、外観を見ても中身が分かっていないと、
外観を見るとこういう状態 ⇒ 建物の内部にこういう問題が生じている可能性がある!
といった予想・仮説が立てられないです。
また、建築部材の名前って聞きなれないものが多くて、慣れてないと、仕上げ表をみても頭に入ってこない。。。
いちいち調べるのもメンドクサイですよね。
今回紹介する本では、建物の仕上がりを部分ごとにプロセスを追って紹介してくれているもので、建物のしくみの理解がグンと進みます。
各プロセスの図解で、建材の名称も載っているため材料と画像イメージも結びついて覚えやすいのも特徴です。
建材の名称を効率よく覚えたい。
建築士の製図試験のサブテキストが欲しい。
『世界で一番楽しい建物できるまで図鑑 RC造・鉄骨造,木造住宅』の1分紹介
建物できるまで図鑑は、RC・鉄骨造と木造住宅の2冊あります。
どちらも手元に置いておいて損がないものです。
まずは自分の仕事に直結する構造or興味のある構造から読んでみると良いかもです。
個人的には木造住宅は、より取っ付きにくい建築用語がめちゃ出てくるから、RC・S造から入ることをオススメします。
どちらも各部分ごとに切り取って、建物ができるプロセスを逆再生で図示していく変わった見せ方で建物しくみを説明してくれます。
文章だとわかりにくいと思いますが、
建物は、以下の3段構えで出来ています。
- 柱とか梁とか壁とかの構造体(躯体)があって、
- その構造体の上には仕上げが施してあって、
- 構造体と仕上げとの間には下地が差し込んである。
構造体⇒下地⇒仕上げ、といった感じ。
普段、私たちの目に見えているのは、仕上げ部分ということですね。
下地は、補完的な役割をしてくれる影の立役者です。
- 仕上げを構造体にくっつけるための接着剤的な役割
- 強度とかを補完する機能
- 断熱性とか遮音性などの性能を補完する機能
構造体は、イメージ通り建物の骨格部分です。
本書は建物のできるプロセスを逆再生していくので、いつも私たちが目にしている建物の状態、すなわち仕上げ部分からスタートです。
そこから仕上げをべリべリ剥がして、下地部分。
下地をベリベリ剥がして、構造体。
こんな感じで、屋根・外壁・天井・床といった各部分ごとにベリベリ剥がしまくる図解が続く珍し面白構成です。
一般的に使われている部材の名称であったり、写真も差し込むなど理解がスムーズにいく工夫が散りばめられています。
建物のしくみの理解が進むことで、”現地で見る建物”と”設計図書の仕上げ表の文字面”がちょっとずつリンクするになってきます。
今後のアウトプット(本書の使い方)
建物のしくみが概観できる書籍を紹介しました。
概観といっても、内容は非常に濃いですし、すべてを頭に入れるのは相当気合いがいります。
物件調査の前に見る、辞書的に使うなどして、繰り返し使うことで少しずつ建物の理解が進むと思います。
息の長い相棒としてオススメできる一冊です!