こんにちは、ねこきん(@nekokin37)です!
この記事では不動産の還元利回り、いわゆるキャップレートのデータ収集に使えるサイトをまとめてみました!
収益還元法を適用する際、キャップレートのデータをどこから探してくればいいかわからないという方もいるかと思います。
ちなみに実務では還元利回りとは言わず、キャップレート、キャップ、CR(シーアール)と言うことが多いです。
今回はねこきんが参考にしているキャップレートデータのサイトを全部で6つご紹介します。
- 不動産投資家調査 日本不動産研究所
- 不動産投資に関するアンケート – 期待利回り CBRE
- Cap Rate Map ICHI
- ホテルのキャップレート 日本ホテルアプレイザル
- 不動産投資短観調査 早稲田大学国際不動産研究所
- 再生可能エネルギー発電施設 投資家調査 谷澤総合鑑定所
私が実務で特によく使うサイトは日本不動産研究所の不動産投資家調査とICHIのCap Rate Mapが中心です。
- 不動産投資家調査で各アセットの利回り動向(利回りは下落傾向にあるのか、上昇傾向にあるのか)を把握
- Cap Rate Mapで近隣のJ-REITの取引利回りや鑑定利回りを参考に利回りを決定
(+AMなどのマーケットプレーヤーのヒアリングも参考に)
実際はこんな感じで対象不動産のキャップを決定しています。
1. 不動産投資家調査 日本不動産研究所
大手鑑定事務所の一角、日本不動産研究所(通称フドウケン)です。
利回り関連の調査では一番有名なデータかもしれません。
ちなみに調査結果に期待利回りと書いてありますが、鑑定評価基準の期待利回りではないのでご注意。
ここで言う期待利回りは、文字通り投資家が不動産に投資する際に期待する利回り(これだけ収益は確保したい)です。
なので、還元利回り査定の参考にして全然OKです。
鑑定評価の期待利回りは賃料を求めるための利回りです。
なお、Web会員登録(無料)でバックナンバーも見れるようになります。
利回りの推移を把握するのに非常に役立ちますが、
感覚的には実勢の利回り水準よりやや高めになっている気がします。
例えば、J-REITの東京オフィスのトップレートは2.3%ですが、下の表では3.5%です。
投資家調査も参考にはしますが、実際の取引利回りの方を重視して利回りを決める方が実勢に近いものが求められるかと思います。
なお、期待利回りはNOI利回りのため、鑑定評価でそのまま使えないのでご注意。
(鑑定ではNOIから資本的支出控除と一時金運用益加算したNCFに対応する利回りを使う必要があります)
■参考
2. 不動産投資に関するアンケート – 期待利回り CBRE
CBREが公開する投資家への利回り調査です。
リンクへ飛んでも直ぐに出てこないかもですが、検索窓で”期待利回り”とか入れてもらえば出てくるかと思います。
直近のものに過去の時系列データもあります。
オフィス、レジ、リテールなどの代表的なもののほかに、太陽光やデータセンターなどの最新アセットの利回りもあるため、それらアセットタイプの評価をする際に参考になります。
なお、こちらも不動研のものと同様、NOI利回りのため、鑑定評価ではそのまま使えないのでご注意。
■参考
3. Cap Rate Map ICHI
J-REITの情報をGoogle Map上に落としてあるめちゃ有用なサイトです。
最近、利回り以外にも地代や建築費など、どんどん記載データが増えていっています。
ユーザーログイン(無料登録)でデータに手を加えることも可能となり利回り査定にオススメです。
上の不動産投資家調査などは、不動産投資市場の全体の平均値のため全体の傾向を掴むには良いですが、対象不動産の査定に使いづらいです。
一方で、Cap Rate MapはJ-REIT物件の鑑定利回り、取利回りの情報を拾えるので、より個別具体的な利回り査定が可能です。
HPに利用方法のYoutubeも上がっているので、使い方もすぐ理解できるかと。
■参考
Cap2.3%はもう良くわかんないセカイですね。
4. ホテルのキャップレート 日本ホテルアプレイザル
ホテル、旅館等の宿泊施設特化の鑑定評価、コンサルティングを行う日本ホテルアプレイザル(Japan Hotel Appraisal)のキャップレート調査です。
キャップレート調査結果を見るにはユーザーログイン(無料登録)が必要です。
不動産のキャップレートのほかに、事業収支前提キャップレートの情報もあるのが特徴的です。
賃貸型で収益還元しない場合は参考となります。
こちらはNCF利回りなので、不動研やCBREの利回り調査と違い、調整不要です。
■参考
5. 不動産投資短観調査 早稲田大学国際不動産研究所
早稲田大学の川口有一郎先生が音頭をとっているアンケート調査です。
不動研やCBREのデータでほとんど網羅できると思いますが、こちらのアンケートではヘルスケアや物流施設_シングル(他はマルチ想定)のデータがあるのが特徴的です。
■参考
6. 再生可能エネルギー発電施設 投資家調査
谷澤総合鑑定所
大手鑑定事務所の一角、谷澤総合鑑定所(通称タニカン)です。
新着ニュース当たりからアンケート調査に辿り着けます。
太陽光発電設備以外に、風力や地熱などの再生可能エネルギー発電施設の割引率が公開されているのが特徴です。
また、個人的には太陽光の利回り水準については、上記のCBREのものと比べより実勢に近い感覚です(下のグラフとは別に太陽光フォーカスのものがあります)。
■参考
この記事のまとめ
利回りデータをとれるサイトを集めてみました。
まとめると以下の表のようになります。
個人的によく使っているのは日本不動産研究所の不動産投資家調査とICHIのCap Rate Mapです!