こんにちは、ねこきん(@nekokin37)です!
受験生が鑑定理論を勉強していく中で立ちはだかる壁は、個人的には以下の4つだと思っています。
今回は②収益還元法を取り上げています。
直接還元法の続きです。
収益還元法のうち直接還元法の基本式を理解したら、次はDCF法です。
数式だけ見るとややこしくみえますが、実はそんなに難しくはないんです!ということを説明します。
DCF法も基本式を分解して読み解いていくことで全体像が見えてきます。
しかし、DCF法は読み解く基本式自体がややこしそうですね。
この記事では具体的な数字をいれて、解説しています。
出来るだけ嚙み砕いて理解しやすい内容としていますので、ぜひDCF法の理解の向上に役立ててみてください。
直接還元法とDCF法の投資家をイメージしてみる
収益還元法には、2つの求め方が出てきます。
直接還元法とDCF法。
小難しいこと考える前に、2つの手法で想定されている市場参加者(=収益物件で儲けたいという目的で不動産を買おうとしている投資家)について考えてみましょう。
若干語弊がありますが、イメージを持つためと思ってください。
DCF法の基本式は純収益と直接還元法の組み合わせなだけ!
収益還元法の学習のコツは、全体像をざっくりつかんでから細部を見ていく!です。
全体像が見えていれば、道に迷わなくてすみます。
では、全体像をつかむにはどうすればいいでしょうか?
直接還元法の時と同じように基本式を覚えればOKです。
難しくないです!ビビらずについてきてください!
Σ(シグマ)とか乗数計算が出てきて、少しアレルギー反応でますよね。
もう少しだけ頑張ってください。
具体例を落とし込んでみます(あえて数式のままいきます)。
3年間保有した後に売却することを想定します。
DCF法の数式は以下の通りです。
上で書いたDCF法で想定する投資家を思い浮かべて下さい。
数式は前半と後半に分けて考えることができます。
3年間家賃をもらう(前半:インカムゲイン)
と
3年後に転売して儲ける(後半:キャピタルゲイン)
前半の式:純収益
a1~a3が、家賃収入(インカムゲイン)をもらって儲けている期間(保有期間)です。
毎年aだけ純収益がお財布にチャリンチャリン入ってきます。
ただし、貰えるのは未来のコトなので、現在の価値に補正する必要があります。
割引計算と呼ばれます。
それが(1+Y)で割っている処理です。
割引計算とは、”将来もらえる100万円”は、”今スグにもらえる100万円”より価値は低いという概念です。
経済学で習うはずですのでここでは割愛。
後半の式:復帰価格は直接還元法で求める
スクロールがめんどくさいと思うので、もう一度掲載。
PRは復帰価格と呼ばれているものです。
3+1とか3とか細かい数字はムシして、よく見てみてください。
直接還元法の基本式ですね。
要は、
保有期間満了時点で、
直接還元法を適用して転売価格を求めているだけなんです。
転売も未来のことですから、これも現在価値に割り引きます。
この節の見出しをもう一度見て下さい。
『DCF法の基本式は、純収益と直接還元法の組み合わせなだけ!』の意味が理解できると思います。
DCF法の定義を踏まえてもう一度整理
ここでもう一度整理します。
DCF法の定義を改めてみてみましょう。
DCF法とは、
➊連続する複数の期間に発生する純収益
及び
❷復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計する方法
をいいます。
➊連続する複数の期間に発生する純収益を、その発生時期に応じて現在価値に割り引く
上の前半部分。
すなわち、家賃をもらって儲ける期間(インカムゲイン)。
❷復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引く
上の後半部分です。
復帰価格=転売価格です。
転売価格(キャピタルゲイン)は、保有期間満了時点に直接還元法で求めます。
➊と❷を合計すれば、収益価格が求まります。
おわり。
あれ?DCF法って案外難しくないかも!と思ってもらえたら、幸甚です。
この記事のおさらい
DCF法を理解してもらうために少ししつこいぐらい同じコトを繰り返し説明しました。
DCF法は、純収益と復帰価格で構成されていて、その2つを現在価値に戻すだけ。
そして、復帰価格は直接還元法で求める。
これだけ抑えておけば、DCF法も道に迷わず勉強できると思います。
基本式はややこしく見えますが、本記事の具体例で書いたように、分解してみるとそれほど難しいことをやってる訳ではないと気づけるハズです!