不動産鑑定

証券化対象不動産の魅力①たくさんの知識が得られること!

こんにちは、ねこきん(@nekokin37)です!

今回は証券化対象不動産の鑑定評価を経験するメリットを記事にしてみました。

証券化対象不動産の鑑定評価(以下、証券化評価)をしている事務所はある程度限られていますが、経験できるならしておいた方が良いです。

証券化評価は情報量が命です。

証券化評価に対応している事務所には必然的に情報が集まってくるため、たくさんの資料に触れることができます。

ERやMRは、自分で依頼するとしたら数十万~数百万するような価値あるレポートです。

これら資料に触れることができるのが証券化案件の魅力の一つです!

ねこきん
ねこきん
ねこきんはマーケットレポートが出てきた時ワクワクするタイプです!
うさこ
うさこ
この記事は約5分で読めます。証券化案件の魅力に気づいてもらえたら幸いです!

証券化評価する事務所には情報が集まる

証券化評価は、不動産ファンドを通じてとてもたくさんの人に影響を与えます。

つまり、鑑定評価の結果が間違ってました…が許されない世界です。

もちろん証券化評価以外でも許されないのですが、利害関係者が多いからより正確さが求められます

より正確さが求められるとは、キチンと客観的な資料に基づいて評価をすることが求められると言い換えられます。

したがって、証券化評価においては、たくさんの客観的な資料を集めなければなりません。

この集めた資料の読み込みが、鑑定評価の経験値を上げてくれます。

証券化評価に関われる最大のメリットは、『たくさんの資料に触れることができること』です。

たくさんの資料の代表的なものは以下の通りです。

  • ER(エンジニアリング・レポート)
  • MR(マーケット・レポート)
  • PMR(ピーエム・レポート)
  • 各種契約書

ER(エンジニアリング・レポート)

ERは建築物の専門家が作った調査報告書です。

ERに触れることで得られるメリットは大きくは2点。

  • 再調達原価や修繕更新費用の水準感が得られる。
  • 遵法性に関する知識が身につく。

再調達原価や修繕更新費用の水準感が得られる

証券化案件以外の一般案件等では、建物の再調達原価について請負契約書等の資料がなかったら、類似の建設事例を用いて査定します。

建設事例は、JBCI or 建物鑑定評価必携あたりを使うことが多いと思います。

この方法は間違ってないです。

間違ってはないですが、建物の専門家ではない不動産鑑定士が間接法で査定した再調達原価ですので、精度に不安が残ります。

証券化評価では、建物の専門家が作ったER(エンジニアリング・レポート)に基づいて、再調達原価を査定します(実際は、再調達原価の水準は安いことも多いですが…)。

アセット毎の再調達原価の水準の序列や躯体・仕上・設備の割合感も確認することができます。

また、将来必要となるの修繕・更新費用をERさんが見積ってくれます。

この見積りを参考に修繕費・資本的支出(CAPEX:実務ではキャペックス、キャペと呼ぶことも多いです)を査定していきます(再調達原価に対する割合で求めることが大半)。

アセット・築年に応じた修繕・CAPEX割合を肌で感じられることは貴重な経験です。

さらにレポートの中で、各種指摘事項もたくさん目にすることができます。

ex.駐車場を用途変更の確認申請をせずに店舗にしていた(確認申請の手続き違反)、駐車場屋根の設置(容積対象床の増加により容積率オーバー)など

あるあるな指摘事項を覚えることで建築基準法についての理解が深まります。

MR(マーケット・レポート)

MRはERと違い、入手はマストではないです。

が、可能な限りご依頼者さんに開示を求めます。

MRは、価格形成要因分析の特化にした報告書のようなものです。

基本的には賃料収入の妥当性・安定性を検証する資料となります。

対象不動産の存する”マーケット状況の把握”であったり、”賃料の妥当性を検証する方法(要は分析方法)”を学ぶ絶好の機会です。

色んなMR会社のレポートを見ることで、そのエリアの知識がガツっと増えますし、多様な切り口の分析方法を身に付けることもできます。

PMR(ピーエム・レポート)

対象不動産を管理しているPM会社(プロパティマネジメント会社)のレポートです。

これは証券化案件に限らず入手できるものですが、証券化案件をしている鑑定事務所は収益物件の鑑定実績が膨大なので、それに伴ってPMRも膨大なストックとして入手しています。

PMRには、物件の収支実績や修繕実績、レントロールがまとめてあるので、物件のテナント推移や収支の動向が把握できます。

これだけ多様なアセットの収支実績の情報が集まっているのは鑑定会社くらいなのでは、と思います。

各種契約書

  • 多数の賃貸借契約書や覚書
  • PM業務委託契約書
  • BM業務委託契約書
  • 固都税の資料
  • 保険料資料
  • 大規模修繕の見積書

などなど収支に関するものに限らず、膨大な資料が飛び込んできます。

全て読み込んでいきます。慣れてきたらポイントがわかってくるのでスピードは上がるものの、資料読みはかなりしんどいです…(笑)

この記事のおさらい

証券化評価の魅力は、たくさんの資料に触れる経験ができることというお話でした!

ERやMRは知的好奇心がある方でしたら、お宝の山に見えると思います。

PMRは、自分で不動産投資しているのであれば、参考情報の宝庫に見えるかもしれません。

各種契約書からは、当事者間の譲れない戦いのすえ出来上がっているであろう背景が感じられます。

このほかにも、実地調査の時には、事業運営者の方にインタビュー出来たり貴重な経験ができます(普通、ホテル支配人や老人ホームの施設長のお話を聴く機会なんてありませんよね!)。

証券化評価は資料の数値を落とし込んでいくだけと揶揄されることもありますが、視点を変えると面白くなるかもしれませんね!

わるきん
わるきん
業務が忙しすぎて、そんなことを感じてる余裕ないねん!
ねこきん
ねこきん
わかりみが深すぎる…

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です