試験対策

【収益還元法の理解の助けに】直接還元法は基本式を理解する!

こんにちは、ねこきん(@nekokin37)です!

受験生が鑑定理論を勉強していく中で立ちはだかる壁は、個人的には以下の4つだと思っています。

今回は②収益還元法を取り上げてみました。

うさこ
うさこ
収益還元法に入った途端、数式がいっぱい出てきてわからなくなっちゃった
わるきん
わるきん
つーか、収益還元法だけでスペース取りすぎ。範囲ひろいんじゃ~

総論7章は鑑定評価の手法の適用ということで、鑑定理論のメインとも呼べる部分ですよね。

原価法、取引事例比較法まではイメージしやすく気持ちよく進んできたのに、収益還元法に入った瞬間、数式が出てくるわ、長くていくらやっても終わらないわで心折られる人が続出する所かと思います。

実際、答練でも収益還元法の問題になると高得点者とあまり点数が伸びない人と二極化します。

収益還元法もまずは全体像をざっくり見ることで理解が進みます。
次に基本式を分解する。
これで理解に対する難易度が相当軽くなります。

うさこ
うさこ
この記事は約7分で読めます。収益還元法の理解に役立てば嬉しいです。

収益還元法の全体像

収益還元法の全体像は以下の通りです。
まずは体系図を見て、収益還元法にどんな種類があるのか把握してください。

上記のうち①直接還元法(永久還元法_一般式)、②DCF法が特に重要です。
ホスコルド式は無視でOK。

収益還元法の学ぶ順番

次に収益還元法の学ぶ順番です。
以下の通り。

インウッド式はやや難易度が高めです。

直接還元法の基本式を覚える

では早速、直接還元法から見ていきましょう!

収益還元法は全体像をざっくりつかんでから、細部を見ていくと道に迷わなくてすみます。

では、全体像をつかむにはどうすればいいでしょうか?
見出しのとおり直接還元法の基本式を覚えましょう。

直接還元法の基本式は簡単ですね。
基本式が簡単と認識できたら収益還元法の長い基準の理解は5割終わったようなもんなんです。

基準は、基本式のどこのことを説明しているのか?といった視点で読みといていけば、かなり単純化されます。

基本式を分解してみると、純収益と還元利回りの2つだけですね。

基準は実はこの2項目についてツラツラ書いているだけということがわかります。

純収益とは何か、どうやって求めるのか。
還元利回りとは何か、どうやって求めるのか。
ということがツラツラ書かれています。

全体像がざっくり見えて、今はどこを勉強しているのかということがわかると、自分の立ち位置を見失わなくて済みます。

収益還元法の基準を再度整理してみましょう。

  • 収益還元法には、直接還元法とDCF法がある
  • 直接還元法は、純収益と還元利回りから収益価格を求める方法
  • 純収益は、総収益-総費用で求める
  • 還元利回りは、5つの方法で求める

全体像が見えたら、あとはこれらの構成要素の細かいところの説明を読み込んでいくだけなんです。

直接還元法とDCF法の相違点

直接還元法とDCF法の2つの方法について典型論点として共通点と相違点があります。

共通点は、『いずれも収益性に着目し、将来期待される純収益の現在価値の総和を求める』点です。

『相違点はなにか?』と問われたら、共通点についても必ず書いておきましょう。
論文のお作法みたいなものです。

では相違点はなにか。

直接還元法は、単年度の純収益を還元利回りで還元して(割り算して)収益価格を求める。

それに対して、DCF法はキャッシュフロー表を作って、毎年度の純収益と保有期間満了時の復帰価格を明示した上で収益価格を求める。

純収益が1回しか出てこないのが直接還元法。

純収益が想定する保有期間の年数だけ出てくるのがDCF法。

DCF法は復帰価格という価格も出てきますね。

そして、DCF法は毎期の純収益と復帰価格をキャッシュフロー表という形で表にまとめて保有期間中の収益が細かくわかるので、説明性に優れていると言えます。

ただし、純収益の変動予測・予測に係る不確実性は、両方法とも純収益・利回りの査定に織り込まれているため、理論的には答えは一致します。

つまり、価格を求める方法としての優劣はないということになります。

実務的には各論3章の収益費用項目の方が重要

受験勉強に関係はないですが、少しだけ実務的な補足をしておきます。

純収益の求め方は総論7章で説明されていますが、実務的には各論3章の純収益の求め方の方が重要です。

純収益の性格(償却前後のいずれに対応するものであるか、初年度純収益を採用するか標準化した純収益を採用するか、還元利回りとの整合)など、重要な論点なので、総論7章を勉強はしっかりする必要があります。

が、総論7章の総収益・総費用といった概念は実務的には化石状態だということは認識しておいた方が良いです。

実務上、プロの投資家は総論7章の項目で純収益を把握してないです。

鑑定業界もそういった目線の違いがあることがわかったので、各論3章を作って投資家と目線を合わせた収益費用項目を作成した経緯があります。

残念ながら試験には出るので、7章の収益費用項目についても勉強しないといけないですが、理論と実務でギャップがあるところです。

私も実務では、各論3章型の収益費用項目でしか直接還元法を適用したことないです。
地価公示の土地残余法だけはフォーマットが決まっているので総論7章型でやってますが。。。

この記事のおさらい

収益還元法の大枠と直接還元法にフォーカスをおいて説明してみました。

  1. 収益還元法にはどんな方法があるか
  2. そのうちの直接還元法の基本式を頭に浮かべつつ、基準の各項目の説明を読む

この2点が特に重要です。

この2つを意識して勉強することで、収益還元法でも道に迷わなくて済むはずです。
勉強では常に、自分は今なにを勉強しているのか意識するようにしておきましょう。

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